2025年度から新たに始まる「江戸東京伝統芸能祭」は、半世紀以上にわたり親しまれてきた「都民芸術フェスティバル」を継承し、能楽、日本舞踊、邦楽、寄席芸能、民俗芸能など、日本の伝統芸能に特化した祭典として生まれ変わりました。本格的な舞台公演から、気軽に参加できる体験型ワークショップまで、子どもから大人まで幅広い世代にお楽しみいただけます。
伝統をつなぐ担い手たち
江戸東京伝統芸能祭に参加している団体をご紹介!
さまざまな団体が、伝統芸能を継承しています。


公益社団法人能楽協会は、1945年に設立された全国のプロ能楽師による唯一の業界団体です。
正会員は、2025年10月現在、約1,020名です。
能楽の伝統と秩序を守りながら人材育成や技芸錬磨に取り組み、
その成果を広く公開し文化芸術の発展に寄与しています。
ユネスコ無形文化遺産にも登録された能楽の継承を担い、
次代に確かな形で受け継ぐとともに、現代に生きる舞台芸術として普及発展に努め、
日本が誇る文化を未来へとつなげています。
日本舞踊協会は国の重要無形文化財に指定されている伝統芸能「日本舞踊」を通じて、
豊かな社会づくりに取り組む団体です。
108の流派、約3,300名の舞踊家が所属し、普及や人材育成を図るための主催公演の開催や
子供向けのワークショップや文化庁主催の学校巡回公演、外国人向け体験プログラムを実施するなど、
流派超えて各事業に取り組んでいます。
また全国に26の支部、10のブロックを持ち、各地で地域に根ざした活動を行っています。
邦楽実演家団体連絡会議は、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会の邦楽部門に加盟している
邦楽分野の主要14団体で構成される任意団体です。
1975年の設立以来、邦楽の普及と振興、実演家に役立つ事業を推進しています。
毎年3月には東京で邦楽演奏会を開催し、令和8年に第55回を迎えます。
伝統芸を守りつつ時代の要請に応じた新たな試みにも取り組み、
幅広い観客に邦楽の魅力を伝え、未来へとつなぐことを目指しています。
一般社団法人義太夫協会は、江戸時代の「義太夫因講」に端を発し、
明治期以降の改組・改称を経て、昭和32年に東京を拠点として発足した伝統芸能団体です。
設立以来、数多くのプロフェッショナルや愛好家を育成し、義太夫の普及・発展に貢献してきました。
毎月の定期演奏会を継続的に開催し、1986年には松尾芸能賞特別賞を受賞するなど高い評価を得ています。
所在地は東京都中央区築地で、XやInstagram、YouTubeなど複数の公式SNSを通じて活動情報も発信しています。
清元協会は、1964年に設立され、東京・銀座を拠点に活動する清元の専門団体です。
清元は江戸時代末期に誕生した三味線音楽・語り物で、
幕末の激動を経て明治維新を越え、現代まで受け継がれています。
代表は清元延寿太夫で、協会は清元節演奏会や夏季研修発表会をはじめ、
国立劇場や歌舞伎座での公演にもメンバーが出演し、技術と伝統の継承に努めています。
公式サイトでは活動情報を公開しており、各メンバーもSNSを通じて情報発信を行っています。
新内協会は、1955年5月に設立され、東京都新宿区神楽坂を拠点に活動する新内の専門団体です。
代表は鶴賀若狭掾で、鶴賀流、新内冨士元派、富士松千歳派、鶴賀須磨派、富士松旭派、岡本流、
新内勝新派、新内研進派、富士松新派、鶴賀如月派、富士松相模派、新内栄派など、多彩な流派が所属しています。
協会には重要無形民俗文化財保持者である鶴賀若狭掾や新内仲三郎を擁し、
技術の継承と伝統文化の普及に努めています。
公式サイトでは公演情報や活動内容を公開し、新内の魅力を広く発信しています。
筑前琵琶連合会は、特定非営利活動法人としては2002年に設立され、
現在は、東京都三鷹市を拠点に筑前琵琶の振興を目的として活動する団体です。
本橋乗子が代表を務め、橘会、旭会、八洲会など
複数の流派を超えた連合体として、伝統芸能の継承と普及に努めています。
毎年一回ないし二回、全国各地で演奏会を開催し、筑前琵琶の魅力を幅広い層に発信。
公式Facebookを通じて活動情報も公開しており、流派の枠を越えた協力により、
現代における筑前琵琶文化の発展に貢献しています。
常磐津協会は、1927年に設立された常磐津全体の和睦団体で、
東京都世田谷区に拠点を置き、会長は常磐津文字太夫です。
歌舞伎や日本舞踊と深く結びつき、浄瑠璃と三味線の息の合った演奏で人間ドラマを描き出します。
伝統や格式を重んじつつ中庸の精神を大切にし、新しい挑戦も積極的に取り入れています。
次代の育成にも力を注ぎ、若手演奏家の不足という課題に向き合いながら、
常磐津の心を未来へ確かに継承することを使命としています。
一般社団法人長唄協会は、1925年に設立された東京・新宿区を拠点に活動する長唄の全国組織です。
2025年に創立100周年を迎えました。
長唄のプロの演奏家(唄、三味線、鳴物)の大多数が協会会員として所属し、
会長 吉住小三郎の下、技術の向上と長唄の普及に努めています。
また、定期公演や各種演奏活動を通じて、
長唄の魅力を国内外に発信し、若手の育成や新たな表現にも積極的に取り組んでいます。
公式サイトやX、Instagram、Facebook、YouTubeなどで活動情報を発信し、
幅広い世代に長唄文化の継承を推進しています。
公益社団法人日本小唄連盟は、1956年9月に設立され、
東京都目黒区を拠点に活動する小唄各派の集合体です。
代表は春竹利昭で、各流派が和気藹々と協力しながら、
伝統を守りつつ将来を見据えた新しい取り組みも模索しています。
年間6~7回の公演を定期的に行い、それぞれの公演に異なる目的を持たせ、多彩な小唄の魅力を発信しています。
公式サイトでは活動情報を公開しており、
今後SNSも整備予定で、幅広い世代への小唄普及に努めています。
公益社団法人日本三曲協会は、1940年に創立され、1968年の社団法人化、
2010年の公益社団法人改組を経て、現在に至る三曲の専門団体です。
会長は萩岡松韻で、会員は自ら三曲を教授する者や演奏家で構成され、技術の向上と伝統の継承に努めています。
毎年春・秋には会員による「名流演奏会」を開催し、箏・三味線・尺八などの三曲演奏を広く紹介。
東京都港区赤坂を拠点に、三曲文化の普及と発展に貢献しており、公式サイトでは活動情報も公開しています。
日本琵琶楽協会は、1959年に設立され、伝統芸能としての琵琶楽の継承と振興を目的に活動しています。
東京都新宿区に拠点を置き、会長・須田誠舟のもと、多くの会員が日本音楽の魅力を広めています。
協会では毎年コンクールを開催し、優秀な演奏家を育成するとともに技量の向上を推進。
幅広い世代に琵琶の奥深い響きを伝え、人生の充実感を感じていただける芸能として
未来へ受け継ぐため、協会員一同力を合わせています。
一般社団法人雅楽協会は、2023年に設立された東京都新宿区を拠点とする団体で、雅楽関係者による唯一の全国組織です。
雅楽の伝統を維持しながら普及と発展を図り、また文化芸術の発展に寄与することを目的として事業を行っています。
伝統芸能の継承に必要な、楽器材料や用具類の保全について積極的な取り組みを行い、
また、主催公演やワークショップなどの実施をとおし、雅楽の普及や雅楽関連人材の育成などを行っています。
一般社団法人落語協会は、1977年に社団法人化され、東京・上野を拠点に活動する伝統芸能団体です。
現在の代表は柳家さん喬で、協会員380名が所属し、落語の保存と普及、後進の育成に努めています。
定期公演や各種イベントを通じて、多くの聴衆に落語の魅力を届けるとともに、
演者の技術向上と新作創作にも力を注いでいます。
公式サイトやX、YouTubeなどのSNSでも活動情報を発信し、幅広い世代に親しまれる落語文化の発展に貢献しています。
公益社団法人落語芸術協会は、1930年に設立、2011年に公益認定された、
東京・新宿・浅草・池袋を拠点に活動するプロ落語団体です。
代表は春風亭昇太で、協会員280名が所属し、落語の保存・普及と後進の育成に努めています。
都内の寄席でほぼ毎日公演を行うほか、
弘前、仙台、名古屋など全国各地で定期公演を開催し、多くの聴衆に落語の魅力を届けています。
公式サイトでは活動情報を公開しており、国内外の落語文化の発展に積極的に貢献しています。
公益社団法人日本奇術協会は1936年に設立され、日本の奇術文化を担う唯一の全国団体です。
古来より受け継がれた和妻の保存・継承活動をはじめ、明治以降に伝来したマジックの発展にも尽力しています。
協会には柳川派や養老派など多様な流派が所属し、国内外で公演やワークショップを開催。
着物や簪など伝統工芸と融合した和妻は五感に訴える総合芸術であり、物語性や所作の美しさも魅力です。
後継者育成にも力を注ぎ、未来へ奇術文化をつなぐ使命を担っています。
都民寄席実行委員会は、東京都台東区上野の(一社)落語協会内に事務局を置く団体です。
実行委員長は長井好弘が務めます。東京都における寄席芸能文化の振興を理念に掲げ、
落語や漫才、曲芸のほか、講談の会、浪曲の会と、
粋で豊かな大衆文化である「寄席」を幅広い層に届けることを目指し、観覧無料(要申込)で実施しています。
東京都民俗芸能大会実行委員会は、
東京都港区六本木の(公社)全日本郷土芸能協会内に事務局を置く団体です。
実行委員長は茂木栄が務め、東京都内の地域に伝承される多様な民俗芸能の振興を目的に活動しています。
大会の企画・運営を通じて、地域に伝承される伝統芸能の披露の場を創出しています。
また、観覧無料(要申込)で実施しており、幅広い世代が民俗芸能に触れる機会を提供しています。
独立行政法人日本芸術文化振興会(国立劇場養成所)は、
1966年に設立された伝統芸能の公開や伝承者の育成を行う機関です。
公式サイトやX、Instagram、YouTubeを通じて活動情報を発信することで、
国内外に向けて日本伝統芸能の魅力を広く伝える役割を担っています。
国立劇場養成所では、歌舞伎・能楽・文楽などの伝統芸能の次世代担い手を育成し、
日本の芸術文化の継承と発展に努めています。
研修生は、専門的なカリキュラムを通じて高度な技術と知識を習得することができます。
公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)は、演劇、音楽、舞踊、演芸などの
多様なジャンルの団体で構成される、日本で唯一の団体です。
正会員70団体の傘下には、俳優・声優・歌手・ミュージシャン・舞踊家・演芸家などの実演家、
演出家、音響・照明・舞台監督などのスタッフがいます。
会長は野村萬(能楽師、人間国宝)。1965年の設立以来、芸能に携わる人たちの権利を確立し、
まもり、創造を支えることで、人々が豊かな文化芸術に親しむ環境を育むことを目的に活動しています。
とくに実演芸術振興事業では、新宿区の「芸能花伝舎」を拠点に、
芸術体験や公演など、ジャンル横断的に様々な事業の企画・運営を行っています。